唯川恵

(『逢魔』は唯川さんにとって初めての時代小説となるそうですが、どうして時代小説を選んだのでしょうか) 1つ大きな理由としてあるのが、現代の恋愛小説を書くことに息苦しさを感じていたところがあります。現代の女性を描くとしても、その人を取り巻く環境や状況がとても複雑になっていて、それを無視することができません。 例えば若い女性を主役に据えた場合、例えば就職難であったり、貧困であったりというのも1つ大きな要素として出てきます。どうしても恋愛に主軸を置きにくくなるというか、窮屈になってしまうんです。思いきり男女の恋愛を書くというのが難しい。 。。。 そんなことを編集者さんたちと話している中で、「時代物を書いてみたらいかがですか?」と言われて。